休憩室って、思ったより音が響くんです。
その日、向かいに座ったぽえちゃんは、
お昼を食べながら、ずっとしゃべっていました。
……いつもの、噂話です🍓
噂話は、だいたい「あの人」から始まる
「あの人って、いつ入ったんでしたっけ」
「あの人、たしか〇歳らしいですよ」
「えー、見えない」
ぽえちゃんは、噂話が大好きです。
誰がいつ入って、誰が何歳で、誰と誰が仲がいいか。
なんでそんなに詳しいんだろう、といつも思います。
わたしは、お弁当を食べながら
「そうなんだー」って聞いていました。
聞いていただけ、のつもりでした。
そして、こっちに矢印が向く
ひととおり終わったあと、ぽえちゃんが言いました。
「ミルキさんは、いくつなんですか?」
……流れで、来た。
わたし、そのとき。
正直に、答えてしまったんです。
深く考えませんでした。
ずっと「そうなんだー」って聞いていたから、
その延長みたいな気持ちだったんだと思います。

向かいに、知らない人が座っていた
答えたあとに、気づきました。
少し離れたところに、
別のお店から来ていた人が座っていたんです。
わたしは、その人を知りません。
その人も、たぶんわたしを知りません。
その人が、こっちを──
ちらっと、見たんです。
たったそれだけ。
一瞬です。
でも、わかりました。
わたしの年齢が、いま「情報」になった。
会話が、発表に変わった瞬間でした。

嫌だったのは、年齢じゃない
別に、年齢を隠したいわけじゃないんです。
ぽえちゃんよりは、だいぶ上です。
それは見ればわかるし、隠しようもない。
嫌だったのは、そこじゃなくて。
自分が、噂の材料になったこと。
さっきまで「あの人」の話をしていた場所で、
次はわたしの番になった。それだけのこと。
怒るほどじゃない。
傷ついた、って言うのも大げさ。
でも、なんとも言えない、あの気分。
……これ、わかる人いますか?🍓
いつものぽえちゃんなら、
「悪気はないのよ」で終わる話です。
でも今回はちょっとだけ、
あった気がするんですよね😌
(ぽえちゃんの話、こちらにも → ぽえちゃんは、最後の2人になりたかった)
今なら、こう言う
あのときの自分にも、
ちょっとだけ、もやっとしています。
でも、もう決めました。
次に同じことを聞かれたら、こう言います。
「後で教えてあげる」
……はい。
後で教える気は、まったくありません🍓
それから、休憩室に行かなくなった
あれから、わたしは少しだけ変えました。
ぽえちゃんと休憩時間が重なる日は、
休憩室じゃないところで休むようにしています。
「ミルキさん、今日は休憩室来なかったですね」
そう言われたら、こう返します。
「そうなの、買い物しなきゃいけなくて、外に行っちゃった」
嘘じゃありません。ほんとに行きます🍓
怒ってもいないし、避けてることも言いません。
ただ、重ならないようにしているだけ。
……まあ、そもそも会わないようにしてるので、
「後で教えてあげる」を使う機会も、今のところないんですけど😌
軽く聞かれた質問ほど、
聞かれたほうは、重く受け取ってしまう。
聞いた人は1秒で忘れて、
聞かれた人は、ずっと考えている。
だから、もし誰かに年齢を聞きたくなったら。
二人のときに、聞いてみてください。
それだけで、相手はずいぶんラクになります。
そして、聞かれて困っている人へ。
「後で教えてあげる」、便利ですよ。
それでもしんどい相手なら、
重ならないようにしたって、いいんです。
答える義務も、仲よくする義務も、
どこにもないので🍓
今日もお疲れさま!
※このブログはフィクションです。登場する人物・お店はすべて架空のものです。


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